
エージェント型アプリケーションの開発は、1つのループです。エージェントに質問を投げ、応答を確認し、何かおかしければ原因を調べる、という繰り返しです。多くの場合はうまく動きますが、うまくいかないときに、それがローカル環境で見つかることはめったにありません。問題が表面化するのは、たいてい本番環境にデプロイした後、それまで問題なく動いていたリクエストが突然おかしくなったときです。
コストがかかるのはここからです。変更をプッシュし、反映されるのを待ち、リクエストを実行し、そのうえで別のツールに移って原因を探す——気になった瞬間から数分も経ってからの作業になります。DataRobotのローカルトレーシングは、このギャップを埋めます。エージェント型アプリケーションのテンプレートを直接使う場合でも、コードの土台作りをAgent Assist(コーディングエージェント上で動くDataRobotのエージェント構築支援スキル)に任せる場合でも同じです。
ローカル環境で動くもの
dr xp——DataRobotのエクスペリメントCLIプラグイン——は、開発中にローカルでOpenTelemetryのダッシュボードを動かします。使うオープン標準もトレーシングの仕組みも、本番デプロイ後にプラットフォームが使うものと同じです。ローカルで見えるのは、デプロイを一切必要とせず、エージェントがその場で実際に行った動作そのものです。
ローカルホスト上でトレーシングのページを開けば、すべてのリクエストを確認できます。どのツールが、どの順序で呼び出されたか、レイテンシー、トークン数、エラーログまで見えます。属性、ステータス、期間による絞り込みや検索もできます。
dr xpを手に入れる方法——Agent Assistスキル
DataRobotのエージェントテンプレートには、dr xpがあらかじめインストール・設定された状態で同梱されているため、別途セットアップする必要はありません。このテンプレートには、コーディングエージェント(OpenCode、Claude Code、Cursor、VS Code Copilotなど)の中で動くAgent Assistスキルを通じてアクセスできます。
インストール方法:
npx ai-agent-skills install datarobot-oss/datarobot-agent-skills
起動は、datarobot-agent-assistコマンドまたはスラッシュコマンドで行います。
そこから先は、Agent Assistが次のことを行います。
- 自然言語による説明を、構造化された
agent_spec.md(YAML形式)に変換する - コードが1行も存在しない段階でも、そのスペックをもとにモックのツール呼び出しを使ってエージェントの動作をシミュレートできる
- DataRobotのエージェントテンプレートからコードの土台を生成する。
AGENTS.mdとdr xpはこのテンプレートに由来するもので、毎回あらかじめ設定済みの状態で提供される(Agent Assistがプロジェクトごとにゼロから生成しているわけではない) - デプロイの手順を案内する(デプロイコマンドの実行自体は、開発者自身が行う)
このローカル開発体験が自動的には得られない、唯一の例外があります。DataRobotのテンプレートから作られていない、既存のリポジトリにAgent Assistを向けるケース(「Code an AI agent」やブラウンフィールドと呼ばれる経路)です。この場合、AGENTS.mdは最小限の内容しかないか存在せず、dr xpもテンプレートのツール一式を自分で追加するまでは使えません。
重要な理由
価値は、単なる速度の向上だけではありません。もちろんループは短くなりますが、それ以上に重要なのは、本番環境を「エージェントが実際に何をしているかを初めて知る場」として扱わずに済むようになることです。ローカルで確認するトレースの1つ1つ——問題のない実行、遅いツール呼び出し、プロンプトを壊すようなエッジケースのいずれであっても——は、修正コストがまだ小さいうちに、普段使っている作業画面の中でそのまま捕まえられたものです。
これにより、「デプロイ準備が整った」という言葉の意味が変わります。デモ実行がそのまま一般化することを信じてリリースするのではなく、実際のリクエストの中で挙動が安定していることを確認したうえでリリースすることになります。しかも、各ステップでなぜその挙動になったのかという記録も一式そろっています。さらに、これはエージェントの土台作りや構築にすでに使っているAgent Assistスキルに組み込まれているため、新たに学ぶ別のツールや、新たに身につける別の習慣にはなりません。コードの最初の1行から、最初からそこにあるものです。
はじめ方
dr xpのコマンドや設定、ローカルトレーシングのダッシュボードについてさらに詳しく知るには、エクスペリメントプラグインのドキュメントを参照してください。
本ブログはグローバルブログ「Local tracing in the DataRobot CLI: catch issues before production」の抄訳版です。