DataRobot はデータサイエンス機能のすべての条件を満たしていました。現在、当社ではチャンピオンと チャレンジャーの比較、正常性指標による評価、および人手が不要なモデルの監視を行っています。
Tim Reed
Head of Data Science and Analytics
AI によるカスタマーエクスペリエンスの向上とサプライチェーンの最適化
NZ Post 社は、今日の他の郵便事業者と同様に、郵便物の量が減少して小包の量が増加するという大きな変化に直面しています。昨年のホリデーシーズンだけでも、NZ Post 社はニュージーランド全土で約 1,700 万個の小包を配達しました。
小包の量が増えるにつれ、コールセンターに質問や不明な点について問い合わせる顧客の数も増え、サポートチームにはより多くの対応が求められるようになりました。また、倉庫チームも、荷物が安全かつ期日通りに、そして可能な限り最高の安全基準で配送されるように、より高度なサポートを必要としていました。
こうした課題に対処するため、180 年の歴史を持つ NZ Post 社は、カスタマーエクスペリエンスの管理と、サプライチェーン管理と倉庫の安全対策の見直しをサポートする目的で AI を導入しました。
従来は、予測分析を行うためにオープンソースのコーディング言語と基本的な AI ツールに頼っていましたが、制限が多すぎると感じていました。
「当社は、堅牢性と専門性がより高いものを求めていました」と、Data Science and Analytics 担当責任者である Tim Reed 氏は説明します。
予測 AI と生成 AI のための総合的なプラットフォーム
NZ Post 社は、AI ライフサイクルの総合的な機能、画像分類、予測 AI および生成 AI モデルの両方に対する業界トップクラスのガバナンス機能を提供しているという点から、DataRobot を選択しました。DataRobot は、Amazon Web Services 内の Snowflake、Microsoft Power BI、生成 AI 用の Azure OpenAI など、同社の広範なテクノロジーエコシステムとも統合されています。こうした統合により、ワークフローのサイロ化とそれに伴う非効率性が大幅に削減され、NZ Post 社は貴重な時間と労力を節約できます。
Reed 氏は次のように述べています。「DataRobot はデータサイエンス機能のすべての条件を満たしていました。現在、当社ではチャンピオンとチャレンジャーの比較、正常性指標による評価、および人手が不要なモデルの監視を行っています。」
データサイエンティストの数が増えるにつれて、Reed 氏は DataRobot を新規モデルおよび既存モデルに迅速に適用し、パフォーマンスと正確性が最も高いモデルを特定するようデータサイエンティストに促しました。
Reed 氏は次のように述べています。「チームメンバーにも好評です。ユーザーフレンドリーなインターフェイスのおかげで、実験を始めて結果を出すことが驚くほど簡単になりました。」
予測 AI および生成 AI を活用して顧客からの電話による問い合わせ件数を 33% 削減し、コスト管理を支援
カスタマーサービスは、荷物を期日通りに配達したり、受取人に最新情報を提供したりするなど、NZ Post 社が顧客に対して果たすべき重要な責任です。顧客の問い合わせがヘルプラインにエスカレーションされた場合、NZ Post 社には財務上の損失や評判の失墜が生じます。そのため、NZ Post 社が AI 導入に乗り出すにあたり、電話での問い合わせ件数を減らすことは最優先事項でした。
DataRobot を使用することで、今後数日以内に電話をかけてくる可能性が高い顧客と、その電話の理由として最も可能性の高いものを予測できます。この予測により、NZ Post 社は顧客からの質問に先手を打って対応し、顧客が抱える問題に対処することができます。
Reed 氏は次のように述べています。「このような優れた予測説明は、生成 AI の LLM がお客様に関連するテーマとコンテキストを持つメールを生成するためのプロンプトとして機能します。これは特定の個人に特化するものではなく、予測に基づいてセグメント化されています。」
NZ Post 社は、顧客をセグメント化して特定の質問に関するガイダンスをメールで送信するというプロセス全体を自動化しています。顧客からの問い合わせにプロアクティブに対応し、電話を未然に防げることが理想です。
NZ Post 社によると、小規模なトライアルでも、予測 AI と生成 AI の補完的なユースケースにより目覚ましい成果が得られ、電話での問い合わせ件数が 33% 削減されました。
NZ Post 社は、DataRobot を使用して予測 AI モデルおよび生成 AI モデルを単一のプラットフォームで管理し、AI 環境、チーム、ワークフローを統合して、完全な可視化と監視を大規模に実現しています。
Reed 氏は次のように述べています。「DataRobot の生成 AI 監視機能を使用すれば、使用する LLM を選択し、どれが問題に対して最適な答えを導き出せるかを判断することができます。また、有害性やバイアスなどの精度レベルに関連する指標がすべて揃っています。」
また、顧客をセグメント化するモデルを構築して Web サイト上でよりパーソナライズされたバナーを表示することで、カスタマーエクスペリエンスをさらに向上させました。NZ Post 社は、カスタマーコミュニケーションの改善により、コールセンターの問い合わせページへのアクセス件数が 18% 減少し、そのページにアクセスした後に電話をかけてくる顧客が 8% 減少したと述べています。
予測 AI と生成 AI を組み合わせることで、顧客が海外に小包を発送する際に適切な関税コードを絞り込むのにも役立ちます。16,000 もの関税コードの候補の中から、最も近いものを特定できるため、不満が軽減され、カスタマーエクスペリエンスが向上します。
画像分類によるプライバシーと倉庫の安全性の強化
しかし、NZ Post 社と DataRobot の提携による最もすばらしい成果は、画像分類を活用して消費者のプライバシーと倉庫業務を改善したことにあります。DataRobot Visual AI を使えば、表形式やテキストベースのデータ型に加えて画像データを簡単にモデルに組み込むことができます。
配達員が受取人に小包を届ける際、配達証明として写真を撮影します。しかし、プライバシー法により、写真に含まれる個人情報をすべて保持することはできません。DataRobot の画像分類機能を活用することで、NZ Post 社は写真の特定部分をぼかしてプライバシーを守りつつ、荷物が安全に配達されたことを顧客に保証できます。
また、同社では倉庫内の監視カメラの映像を分析し、潜在的な安全上の問題がないか確認しています。たとえば、フォークリフトと人間が近づきすぎると、近接アラートが作動します。その後、特別に作成されたダッシュボードでそのインシデントにフラグを立てることができます。ほぼリアルタイムで問題を追跡することで、NZ Post 社は小包配送の急増に適応しながら、ベストプラクティスに対する認識を継続的に確立し、従業員が効率的かつ安全に業務を遂行できるようにしています。
Reed 氏は次のように述べています。「画像分類は、DataRobot を差別化する主な要因の一つです。当社では、倉庫の安全性に関するユースケースをいくつかの場面で紹介しましたが、そのすばらしさにいつも驚きの声をいただいています。」
複数のデータ形式を AI プログラムに統合できるため、データの価値を最大限に引き出し、サプライチェーン業務、カスタマーエクスペリエンス、デジタルトランスフォーメーションにわたって業務を改善できます。
業界トップクラスのガバナンスとオブザーバビリティがもたらす AI の信頼性
すでに初期の AI プロジェクトで大幅なコスト削減と改善を実現していますが、Reed 氏と NZ Post 社のチームが最も刺激を受けたのは、DataRobot の業界トップクラスのガバナンス機能です。DataRobot による予測 AI および生成 AI の一元的な監視とガバナンスにより、NZ Post 社はアプリケーションの安全性、コンプライアンス、正確性を確保しながら、AI プログラムをさらに拡張できます。
「DataRobot のおかげで、適切に管理された安全な環境を通じて生成 AI にアクセスしているという安心感が得られます。」
Tim Reed
Head of Data Science and Analytics