“DataRobot がとりわけ役立っている点は、価値実現までの速さです。私たちは新しいアイデアを市場に展開する前にテストして、すばやく価値を見極められるようになりました。今や、DataRobot のおかげでエンドツーエンドのソリューションを数週間で
市場に投入し、 AI ジャーニー全体を管理できるようになったのです。 ”
Ram Thilak
Group Head, Data Science & AI, Inchcape
利益を生み出すデータサイエンス
グローバルな分析基盤をゼロから構築する仕事を任されたら、まず何から着手すればいいでしょうか。81 億ポンドの年間売上高を誇る自動車メーカーの Inchcape 社は、計画の策定から始めました。
グローバルデータおよび分析担当ディレクターを務めるAlex Capewell 氏と同氏が率いる小規模なチームは、世界の 40 を超える国と地域を対象に一元的に分析するためのグループの構築に乗り出しました。この独立系の大手自動車販売会社は、6 つの大陸で事業を展開し、Toyota 社、Mercedes-Benz 社、BMW 社など複数のブランドパートナーと取引しているマルチブランド企業です。
今回の取り組みの狙いは、ビジネス上の意思決定を世界規模でサポートするために拡張できる価値の高いモデルを特定することでした。 そのためには、テクノロジースタックとチームを構築し、AIを導入する必要がありました。
「私たちはテクノロジーを活用することで、 コストを増やすことなく、作 業を迅速化して数百のモデルを管理できるようにしたいと考えていました 」と、Capewell 氏は述べています。
幸いなことに、同社は分析が真の価値をもたらす可能性を信じていました。
“ 私たちは当初から、データサイエンスをコストがかかる だけのテクノロジーではな く、収益を創出する原動力と考えていました。 ”
Ram Thilak
Group Head, Data Science & AI, Inchcape
実験 から 本稼働 までにかかる時 間を 約 50% 短縮
テクノロジースタックの基盤を築くため、Inchcape 社はまず、Microsoft Azure を使用して、世界規模のデータウェアハウスの構築に乗り出しました。データの準備とBIツ ールでの計算には Databricks を採用し、当初は Python ノートブックで分析を行っていました。 アーキテクチャー全体はレイクハウスを基盤としており、画像に関してはGoogle Cloud Platform を 活用しています。
また、Inchcape 社はスケーリング戦略の重要な要素として、DataRobot を導入しました。ここで重要な点は、DataRobot が API経由で Inchcape 社のテクノロジーエコシステムや、以前に買収を通じて取得されたレガシーシステムと接続していることです。
nchcape 社のスケーリング目標を達成するため、DataRobot は、AIライフサイクル全体で自動化を実現しています。そのため、フロントエンドでは、概念実証にかかる時間が従来の半分未満に短縮され、利用可能なモデルの特定や別のモデルへの切り替えをすばやく行えるようになったと、Inchcape 社は述べています。
「私たちが他社と大きく異なる点は、国や地域、OEM パートナー、ブランドを問わず実現している俊敏性と拡張性にあると思います 」
と、 Capewell 氏は 言 います。
「 当社の展開規模をメーカーに説明すると、皆一様に驚きます。また、私 たちがデータを入手してから新しいソリュ ー ショ ンを市場に投入するまでのスピ ードに対しても、いつも高い評価をいただいています。」
Inchcape 社のブランドパートナーは、 その俊敏性を高く評価しています。
当社が他社と一線を画している点は、国や地域、OEMパートナー、ブランドを横断して実現した展開のスピードと規模にあると考えています。この展開規模をメーカーに伝えると、彼らは驚きの声を上げます。データを入手した後の新ソリューションの市場投入スピードには、常に非常に感銘を受けているのです。
Alex Capewell
Director, Global Data and Analytics, Inchcape
DataRobot の可視性は、企業やパートナーに対するモデルの説明可能性を高めるために役立っています。また、パラメーターの変更がもたらす影響 をインターフェイス上で簡単に確認できます。
価格設定の最適化にかかる時間を4 分の 1 に短縮
Inchcape 社は、チームの強化に取り組む中で、DataRobot を導入したことにより、データサイエンティストがすばやく価値を評価し、モデルを本番環境にデプロイして監視する作業を 1 カ所 で行える体制が整ったことを実 感しています 。
“DataRobotによる市場投入までのスピードは極めて速く、データサイエンス活動の拡大を実現します。これによりデータサイエンティストの効率性と効果性の両方を向上させることが可能です。”
Alex Capewell
Director, Global Data and Analytics, Inchcape
当初は 5人だった Inchcape 社の分析チームは、今や世界各地で230人にまで拡大しています。100 を超えるモデルを本番環境で運用することで、チームはビジネ スに関する次のような 意思決定を強化しています。
価格設定の最適化—DataRobot は、自動車やスペアパーツなど数千種類の SKUで最適な価格を決定するのに役立っています。以前はこの作業のために、16 週間かけて Python でコーディングしていました。しかし、今では 3 ~ 4 週間で済むようになったと、チームは報告しています。
「より正確な価格設定が可能になり、利益率の向上につながっています」とCapewell 氏は述べています。「DataRobotを活用するビジネスとして、おそらくこの点が最大の成果でしょう」
顧客離れの予測—同社は、離脱リスクの高い顧客を特定してその理由を突き止め、先回りして対応しています。これにより、販売以外を目的としたワークショップへの顧客参加率が 2 桁上昇したと、Inchcape 社は述べています。
リードスコアリング—Inchcape 社は、顧客に 関 する あらゆ るデー タ を 活用 して見込み客のスコア付けを行い、 見込み客が購入する可能性がある車の種類や購入する確率を予測しています。 「リードスコアリングは、当社の最初のユースケースの1 つでした」と、 Capewell 氏 は振り返ります。
需要 予測—Inchcape 社は 部品需要 を予測する新しいモデルを構築し、以前にコンサルタントによって構築されたモデルを上回る精度を実現しました。
同氏は、チームの新メンバーの1 人にDataRobotを提供したときのエピソ ードを披露してくれました。 「彼は2~3 週間で、これまでよりはるかに 精度の高いモデルを考案しました。このことは、今までより少ないリソー ースとコストで、かつてないほど迅速にモデルを市場に投入できるDataRobot の能力を証明する出来事です。 」
継続 的に価 値 を 提供 するための提携
チームが次に目 指 しているのは、 分析作業をさらに発展させるために、DataRobot のカスタム推論指標を使用することです。Inchcape社独自のKPI を DataRobot から提供される指標に追加することで、モデルのパフォーマ ンスを完全に追跡できるようになります。より精度の高いチャレンジャー モデルを特定して、それに置き換えられれば、モデルの品質を継続的に向 上させることができます。
同社はまた、生成 AI によって、コーディング、説明可能性、可視化といった面で、効率性やビジネス成果をさらに高めたいと考えています。DataRobot なら予測 AI と生成 AI を独自に組み合わせられるため、企業はチャットインターフェイスなどから予測データを簡単に活用できます。
新しい生成 AI ユースケースは、コーディング、説明可能性、可視化などの面で、効率性とビジネス成果をさらに高めることが期待されています。また、DataRobot なら予測 AI と生成 AI を独自に組み合わせられるため、顧客は予測モデルから得た情報を、使いやすいチャットインターフェイスなどから簡単に活用できます。
Inchcape 社は、DataRobotとのパートナーシップを、継続的な価値提供に不可欠な要素と見なしているのです。
“DataRobot は最高のパートナーで、当社のビジネスを加速させるのに大いに役立っています。私たちは非常に野心的なデプロイ計画を進めていますが、 DataRobot の支援がなければ、これまでの成果は得られなかったでしょう。“