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DataRobotのユースケース価値トラッカーのご紹介

2020/09/14
執筆者:
· 推定読書時間 2  分

(このブログポストは Introducing the DataRobot Use Case Value Tracker の和訳です)

DataRobot のリリース6.1では、AI のビジネス運用を支援するユースケース価値トラッカーを導入しました。ユースケース価値トラッカーは、機械学習プロジェクトの開始から終了までの全工程を対象として、チームメンバーとの共同作業を一元管理するハブの役割を担います。AIへの取り組みから生じた投資収益を手順に沿って管理、監視、追跡することができます。

ユースケース価値トラッカーを使用すると、プロジェクトのライフサイクルを管理し、各段階に関連した価値を理解することができます。また、ユースケース(活用方法)ごとに DataRobot の全成果物(データセット、モデルデプロイ、アプリケーションなど)を関連付けて整理し、全体像を把握することができます。

ユースケース価値トラッカーは、プロジェクト管理だけでなく、ユースケースで実現したビジネス価値に関する指標を継続的に監視することもできます。さらに、ROI を計算できるため、機械学習に全社的に取り組むことで実際に得られる価値がわかります。

使い始めるには

87 Use case value tracker
ユースケース価値トラッカー

DataRobot 6.1 にログインすると、画面上部に新しく[ユースケース]メニューが表示されます。このメニューでは、DataRobot の内部で追跡されるすべての AI ユースケースを定義して管理することができます。

ユースケースリストの優れた点は、AI のユースケースを段階別にフィルターし、その段階に対する適切なメタデータをテーブルに動的に反映できることです。たとえば、ユースケースのリストから「運用中」のユースケースをフィルターし、それらユースケースで実際に得られる価値の合計をすぐに表示することができます。

87 Use cases in production
運用中のユースケース

また、ユースケースのリストから「概念」段階にあるユースケースをフィルターすれば、社内で次に優先すべきユースケースを管理するのに役立ちます。そのために、1) ビジネスインパクト、2) 実現可能性、3) ビジネス価値の3つの指標を使用しています。

87 Use case ideation
概念段階のユースケース

当然のことながら、価値の低いものや技術的に複雑なものよりも先に、インパクトが大きく、価値が高く、実現可能性が高いユースケースに取り組んだほうがよいでしょう。

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DataRobotには、ユースケース価値トラッカーのほかにもたくさんの機能が用意されています

ユースケースの作成

新しいユースケースを作成する際、プロジェクトを開始するためのビジネス上の正当な理由など、いくつかのフィールドに入力するよう求められます。ユースケースを「概念」から「キュー済み」に進める上で最も重要なのは、DataRobot をどのように利用するかを理解しておくことです。ここで、[予測する数またはイベント]フィールドへの入力が重要になってきます。また、ユースケースのオーナーを定義し、AI イニシアチブで目標とするマイルストーンの日付を宣言することもできます。

87 Creating a use case
ユースケースの作成

ROI の計算

ユースケース価値トラッカーでは、DataRobot のさまざまなデプロイから生成された予測の価値を追跡するメカニズムを作成します。KPI だけでなく、ROI を数値化して監視できるため、財務計画や運用計画の調整に役立ちます。

次に、[値]ページに移動し、概念段階のユースケースの中でこのユースケースを優先する理由となる情報を入力します。

87 Use case value estimator
ユースケースの価値を推定

(左側の)「優先順位の評価」チャートでは、指定したユースケースに対して「実現可能性」と「ビジネスインパクト」の各スコアを入力することができます。実現可能性については、関連するリソース、エグゼクティブスポンサーシップ、およびユースケースの開始時に利用できるデータがあるかどうかを考える必要があります。

ユースケース価値トラッカーでは、ユースケースを運用化することで得られる全体的な期待値が、ガイドに従って手順を進めるだけで算出されます。値の計算に役立つおおよそのビジネスインプットがなければ、見積もりを入力するだけで開始できます。

87 Use case value tracker overview
ユースケース価値トラッカーの概要

コラボレーションの強化

現在取り組んでいる AI イニシアチブをチームメンバーと共有することができます。これにより、ユースケースだけでなく、関連する元データもすべて共有されます。

87 Use case collaboration
ユースケースでの共同作業

ユースケースを共有する場合、既存のロールベースのパーミッション構造が利用されます。つまり、共有されているユースケースでは、ユーザーやグループによってパーミッションのレベルが異なります。ユースケースのオーナーと編集者を宣言したり、他のユーザーにはユースケース内の情報を利用および閲覧することだけを許可したりすることができます。

87 Use case sharing
ユースケースの共有

ユースケースが共有されると、コメント機能を使ってチームメンバーとの共同作業ができます。この機能では、ユースケースに関連したコメントやディスカッションにタグを付けて、各ユーザーに通知することができます。

今後のロードマップ

ユースケース価値トラッカーは、あらゆる AI イニシアチブに不可欠なものであり、お客様のご意見は重要であると考えています。ぜひこの新機能を試してみてください。今後継続的に、お客様からのフィードバックをもとに機能を追加し、ユーザーエクスペリエンス全体の向上を目指します。ぜひご意見をお聞かせください!

今すぐユースケース価値トラッカーを使ってみましょう

DataRobotをすでにお使いの場合は、お持ちのライセンスでユースケース価値トラッカーをご利用いただけます。DataRobotコミュニティでは、ユースケース価値トラッカーについて詳しくご紹介し、初めてユースケースを作成する際に役立つビデオをご覧いただけます。ユースケース価値トラッカーはデフォルトで有効化されています。

リリース6.1
新機能をご確認ください
新機能のご紹介
執筆者について
Ina Ko(アイナ・コー)
Ina Ko(アイナ・コー)

プリンシパルプロダクトマネージャー

ビジネスユーザーや企業幹部が AI から目に見える価値を実現できるような新機能を提供するため、製品戦略、ビジョン、ミッションの構築に注力している。アナリストからプロダクトマネージャーに転身し、人工知能や企業の業績管理において機能の構築と商品化に10年以上の経験を持つ。

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小幡 創(Hajime Obata)
小幡 創(Hajime Obata)

プロダクトマネージャー

DataRobot プロダクトマネージャー。2018年から DataRobot に参加。DataRobot 製品に関するフィードバック収集と新規開発計画への反映、新機能・新製品のベータプログラムやローンチ、トレーニングやマーケティングを通じた普及活動、ローカライゼーション管理、などを通じて、AI と DataRobot の価値を日本に広く広めるための業務に従事。

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