アイキャッチ

DataRobot 最新バージョンで実現する生成AIほか最新機能とそれを支える新たなアーキテクチャ

2024/05/13
執筆者:
· 推定読書時間 3  分

うわっ、私のDataRobot、古すぎ・・?

AIプラットフォームでは機微なデータを扱うこともあるため、使いやすさとセキュリティのバランスは重要です。DataRobotではマネージドサービス(いわゆる「クラウド版」)とセルフマネージド型(いわゆる「オンプレミス版」)に加え、近年では専有環境のマネージドサービスであるシングルテナント版も提供しており、セキュリティ要件に応じて選ぶことができます。
[参考] DataRobot AI Platform のデプロイインフラストラクチャ

セルフマネージド型(「オンプレミス版」)をお使いで、なかなかバージョンアップの時間が取れない!という場合、二世代前のバージョン8(あるいはそれ以前)を使っているユーザーの方もいらっしゃるのではないでしょうか。


このブログではそうしたユーザーの方向けに最新世代のDataRobotをご紹介します。

「自分が使っているDataRobotのバージョンがわからない」という方は、ログイン画面などで確認することができます:

DataRobot最新機能1

なおマネージドサービス(「クラウド版」)にはこうしたバージョン番号はなく、ほぼ毎週アップデートされています。

DataRobot AI Platform バージョン9、そして10へ

DataRobotバージョン9は2023年3月にリリースされました。AutoMLの「ツール」から、組織のAIニーズをトータルで支える「プラットフォーム」へと進化すべく、機能の大幅な拡充に加え製品アーキテクチャも大きく進化しました。バージョン10は2024年4月にリリースされ、生成AI関連開発機能のほか、それを支えるGPU対応、エコシステム連携の深化など、最新の変化を取り入れています。

DataRobot最新機能2

[参考] バージョン10.0.xリリースノート

DataRobotの生成AIと予測AI

DataRobotは2012年の創業以来、機械学習の自動化を通じた予測型AIの開発、運用プラットフォームのリーダーであり続けていますが、近年では生成AIを利用したモデルの開発・運用機能も統合し、単一プラットフォームで生成AIと予測AIの両方に対応することができるようになっています。

DataRobot最新機能3

[参考] RAG(Retrieval-Augumented Generation)構築と応用|生成AI×DataRobot活用術

コーディングベースの開発と運用

DataRobotは従来から、マウス操作だけで数多くの予測モデルを自動開発できる使いやすいGUIを提供してきました。しかしDataRobotの操作自体やDataRobot以外のエコシステムとの連携をAPIを使ってもっと自動化したい、といったニーズも高まっていました。そこでDataRobotにはノートブック機能が追加され、コーディングを通じた自動化ニーズにも対応できるプラットフォームとなっています。またDataRobot外でコーディングベースで開発されたモデル(カスタムモデル)の運用管理にも対応しています。

DataRobot最新機能4

[参考] DataRobot Notebooks, デプロイ用のカスタムモデルの準備

新世代のUI

このように「生成AIと予測AI」、「GUI操作とコーディング」といった新たなAI開発・運用ニーズに対応するため、UIも一新されました。

これまでのUIは個人作業、1つのデータ、1つのプロジェクト(予測AI)を中心に設計されたものでしたが、新世代のUI「NextGen」では、チーム作業を通じたより大規模な開発、複数のデータやモデリング設定を使った試行錯誤の一元管理、生成AI開発と予測AI開発の統合、GUI開発とコーディングの統合、などを実現しています。

DataRobot最新機能5

[参考] NextGenエクスペリエンス

モデルガバナンス

DataRobotはモデルの開発プラットフォームであるだけでなく、モデル運用プラットフォームでもあります。デプロイ、モニタリング、チャレンジャーモデルの分析、再トレーニングとモデル置換、といったライフサイクル管理のほか、DataRobot以外で開発したカスタムモデルの運用や、外部予測環境にホストされているモデルのリモート監視にも対応しています。カスタムモデルの開発自体はDataRobotのノートブック機能でも可能です。加えて生成AIの文脈では、ガードモデルを簡単に利用できるようにするなど、モデルガバナンスに力を入れています。

DataRobot最新機能6

エコシステムインテグレーション

学習・予測データはどこに保存されていますか?SnowflakeやDatabricks、あるいはAWS、Azure、GCPなどのデータウェアハウスやデータレイクをご活用でしょうか?また、AWSやAzure、GCPにモデルをデプロイしていますか?DataRobotはこうしたデータやAIに関するクラウドのプレイヤーとの連携を深めており、データ準備やモデルデプロイ、運用などをシームレスに行えるようになっています。

DataRobot最新機能7

(例:Snowflake連携の概要)

DataRobot最新機能8

新しい利用形態 – 専有型のマネージドサービス

冒頭にも述べた通り、DataRobotはマネージドサービス(「クラウド」)とセルフマネージド型(「オンプレミス」)の両方を提供しており、今この記事をお読みの方はセキュリティ上の理由から自社の専用ネットワークにインストールできるセルフマネージド型をお使いなのではないでしょうか。

しかしセキュリティを確保したいからといって、必ずしもすべて自社で管理したいとは限りません。運用管理にはコストと時間がかかり、バージョンアップを通じて新機能を利用可能になるサイクルもどうしても遅くなりがちです。

DataRobotでは新しい利用形態として「DataRobotシングルテナント」という専有型のマネージドサービスを展開しています。お客様はプライベートなネットワークに自社専用のDataRobot環境を持つというセキュリティ上の特徴を維持しつつ、マネージドサービスによりインフラの運用管理から完全に解放されることができ、新機能もタイムリーに利用することができるようになります。

DataRobot最新機能9

DataRobotシングルテナントの詳細については当社または各代理店様までお問い合わせください。

新アーキテクチャ – 進化し続けるAIワークロードをコスト効率よく実行

自社固有のDataRobot構成が必要、といった場合は引き続きDataRobotのセルフマネージド型を使い自社管理で運用することができます。この時やはり気になるのは運用に伴うコストでしょう。

AIは一般に計算量の大きいワークロードであるため、AI製品の進化にともないコンピュートリソースの使用量は増していきます。これは、従量課金が一般的であるクラウドサービス(AWS、Azure、GCPなど)でワークロードを実行する際には特に気をつけるべき点です。

DataRobotは2012年の創業時点でコンテナを利用したマイクロサービスアークテクチャを採用した先進的なプラットフォームでしたが、進化し続けるAIワークロードを支える上で限界を迎えていました。コンテナの動的配置にまでは対応しておらず、また使いたい機能を支えるための最大限のコンピュートリソースを起動し続けておく必要があったのです。コスト削減のために、特定の機能の使用をあきらめて構成を意図的に小さくしているケースもありました。

バージョン8.xまでのアーキテクチャーの主な課題

DataRObot最新機能10

そこでDataRobotはバージョン9からアーキテクチャを変更し、 Kubernetesアプリケーション化されました。Kubernetesはコンテナの自動オーケストレーションのフレームワークです。これによりすべてのコンテナをどのサーバーにでも動的配置できるようになってコスト効率が上がり、さらにオートスケール機能を活用してワークロードに応じたスケールアップ、スケールダウンを自動化できるようになりました。「AI機能を使わなくてもコンピュートにコストがかかる」アーキテクチャから「AI機能を使ったぶんのみコンピュートリソースを使う」アーキテクチャになったのです。

Kubernetesアプリケーション化によるリソース自動制御

DataRobot最新機能11

新アーキテクチャによるコスト最適化により、新たに利用が可能になったり、利用しやすくなった機能をいくつかご紹介します。

GPU利用の拡大

機械学習モデルにおけるディープラーニングアルゴリズムの活用のほか、生成AIの文脈ではGPUの利用がますます欠かせないものとなっています。DataRobotではGPUを利用して生成AI関連機能を加速しているほか、NVIDIA社との協業によりLLMのローカルホスティング、ガードレールモデルの利用など、生成AIを企業で本格的に利用するための能力を拡大しています(参考:DataRobot Spring ‘24 Launch Event)。DataRobotの新アーキテクチャは、プレミアムなハードウェアであるGPUをコスト効率よく利用することを可能にしています。

カスタムモデルの運用管理

DataRobotでは、カスタムPython環境で開発したモデルや他社製品で開発したモデルをデプロイし運用管理することも可能です。これにより開発環境に関わらずモデル運用の統合的なビューを持つことができます。これはインフラ観点ではモデルごとにランタイム環境とそれを動かすコンピュートリソースを用意することを意味します。

DataRobot最新機能12

カスタムアプリケーション(ノーコード、ローコード)

DataRobotでは生成AIや予測AIを利用したアプリケーションを実行することもでき、GUI操作だけで利用可能なノーコードアプリや、Streamlitなどのローコードフレームワークを使ってモデルを利用するインターフェースをユーザーに提供できます。このような機能にも一時的なコンピュートリソースが必要であり、新世代のDataRobotではこうしたAI用アプリケーションを簡単にかつコスト効率よく提供することができます。

DataRobot最新機能13

DataRobot Notebooks

ノートブック機能は、そのインスタンスごとに一時的なコンピュートリソースを必要とします。こうした機能は、動的なリソース割り当てができるインフラなしには極めてコストが高いものになります。バージョン9以降のアーキテクチャでは、DataRobot内でノートブック/コーディングのニーズにも応えつつ、そのリソース使用を最適化することができます。

学習に利用可能なデータサイズ

モデルの学習に大きなデータを使おうとするほど、それに対応したメモリを確保するためより大きなコンピュートインスタンスが必要になります。バージョン8までのアーキテクチャでもモデル作成用のコンテナ、ノードはオートスケールの構成が可能でしたが、それを選択しない場合は小さいインスタンスを選択してコスト削減するかわりに利用可能なデータサイズを制限(5GBなど)するケースがありました。

バージョン9以降ではこうしたことを検討する必要はなく、各DataRobot環境で利用可能な最大サイズを利用することができるようになります。

おわりに:DataRobot AI Platformとそれを支えるアーキテクチャ

DataRobotは「AutoMLツール」から「AIプラットフォーム」へと進化しました。つまり、生成AIと予測AI、GUI操作とコーディング、モデル開発とモデル運用、など組織のAIニーズをトータルで提供する共通基盤となっています。モデル開発をカスタムPythonコードや他社のMLツールで行っていたとしても、DataRobotはそれらと連携し、モデル運用などその先のニーズを幅広くカバーしていきます。

そして、そのようなプラットフォーム機能を実際にコスト効率よく実現するためのアーキテクチャを導入し、継続的に革新しています。これからの発展にもどうぞご注目ください。

5/15(水) 15:00〜開催!【オンプレミス版ご利用の方必見】DataRobot 最新バージョンで実現する生成AIほか最新機能とそれを支える新たなアーキテクチャ

本ウェビナーではDataRobotセルフマネージド版(“オンプレミス版”)をご利用中のユーザー様、運用管理している管理者様向けに、DataRobot最新バージョンのv9、そして発表されたばかりのv10のハイライトをご紹介するとともに、GPUなどを含む多様なAIニーズをコスト効率よく実行できる新たなアーキテクチャや、新しい利用形態である専有型のマネージドサービスなどを解説します。

参考

バージョン10.0.xリリースノート

RAG(Retrieval-Augumented Generation)構築と応用|生成AI×DataRobot活用術

DataRobot Notebooks

デプロイ用のカスタムモデルの準備

NextGenエクスペリエンス

DataRobot Spring ‘24 Launch Event

執筆者について
小幡 創(Hajime Obata)
小幡 創(Hajime Obata)

プロダクトマネージャー

DataRobot プロダクトマネージャー。2018年から DataRobot に参加。DataRobot 製品に関するフィードバック収集と新規開発計画への反映、新機能・新製品のベータプログラムやローンチ、トレーニングやマーケティングを通じた普及活動、ローカライゼーション管理、などを通じて、AI と DataRobot の価値を日本に広く広めるための業務に従事。

小幡 創(Hajime Obata) についてもっとくわしく