はじめに
こんにちは、DataRobot Japanの長野、菅原です。データサイエンティストとしてお客様への技術的なご支援を担当しています。
DataRobot Japanは、DataRobot AIアカデミーという約3ヶ月間のデータサイエンティスト育成研修コースを日本でこれまで13回提供しており、卒業生は「ビジネス現場で真のビジネス価値を創出できるデータサイエンティスト」として弊社クライアント企業様やパートナー様で多数活躍されています。
前回、第13期の同研修コースでは新コンテンツとなる「生成AI概論」もカリキュラムに加わり、2025年2月に講義が行われました。「生成AI概論」は丸1日(8時間)の集中講義によるインプットと実践的な演習課題によるアウトプットを通して、生成AI技術のエッセンスを習得して頂く講座となっています。
以下、本記事では、同講座の目的及び内容をご紹介します。「生成AI概論」を含むDataRobot AIアカデミーの次期開催は2025年後半を予定していますので、もしご興味がありましたらぜひ以下を読んでいただければ幸いです。(なお、同研修コースはDataRobotユーザーでなくても受講できるカリキュラムとなっています)
講座概要
生成AIプロジェクトは、ステークホルダーが多く、要件も複雑であり、ベストプラクティスもまだ十分には認知されていません。「生成AI概論」(以下、本講座)は、生成AIプロジェクトの未経験者を受講者ペルソナとして想定し、技術面を中心に、講義後に受講者がプロジェクトを推進できることを目指しています。
本講座は、以下の5つのセクションで構成されています。
- 講義の狙い
- 生成AI入門
- 生成AIのプロジェクト企画
- 生成AIのリスク及び対策の考え方
- 生成AIの技術
午前の講義は菅原が担当し、生成AIの基礎知識やプロジェクト企画に必要な要素、規制とリスク対策について解説しました。またケーススタディでの演習によって、学習内容の理解を深めました。長野が担当した午後には、より技術的な側面に焦点を当て、LLMの最新動向やRAG構築の基本、生成AIプロジェクトの進め方などを紹介しました。午後にも適宜DataRobotによるハンズオンを実施することで、座学で学んだ知識を元に受講者が生成AIシステム構築の基本的なポイントをすぐ実践できるようにしました。

生成AIプロジェクト推進の勘所
生成AIプロジェクトを成功させるためには、技術的な知識だけでなく、プロジェクトの進め方やリスク対策も重要な項目です。
本講座では、生成AIプロジェクトの基本的な流れとして、テーマ創出、準備、RAG/アプリ構築・検証、ビジネス適用、運用という5つのフェーズを示し、各フェーズにおける具体的なタスクや考慮事項を解説しました。また、プロジェクトを進める上での課題や制約、およびそれらに対する対策についても議論しました。


生成AIの最新トピック
本講座では、LLMの活用パターンとして、RAG、追加学習/自作LLM、AIエージェントの3つを取り上げ、それぞれの特徴や活用事例を紹介しました。また、LLM選定における重要な要素として、モデルの種類、コンテキスト長、コスト、マルチモーダル対応などを挙げ、それぞれの違いや選択のポイントを解説しました。さらに、プロンプトエンジニアリングの基本や、RAG構築の際のデータ準備、VDB構築、プロンプト設定など、精度改善のための具体的な手順についても詳しく説明しました。

まとめ
以上、本記事ではDataRobot AIアカデミーの新講座「生成AI概論」で生成AIの入門から応用まで幅広いトピックを網羅し、実践的な知識やノウハウを提供させていただいていることをご紹介しました。
一方、生成AI周りの技術は急速に進化しており、日々キャッチアップしていく必要があります。本講座も、2月に実施した講義ではRAGがメインでAIエージェントはサブコンテンツとして扱いましたが、次回の講義ではよりAIエージェントに比重を置く予定です。
DataRobot AIアカデミーでは、今後も最新の技術動向を踏まえ、皆様の生成AIプロジェクト推進に貢献できるような講座を提供してまいります。
参考:AIエージェント関連ブログ
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