累計申し込み数が10万件を超えたクルマのサブスク「KINTO ONE」におけるさらなる顧客満足度向上を実現するため、信頼性が高く、安全なAIアプリの構築を目指す
AIをビジネスの力にすることを目指すDataRobotは、予測AI・生成AIアプリと支援プログラムをKINTOテクノロジーズ株式会社に提供し、生成AIアプリの開発および運用の実証実験を開始しました。DataRobotとKINTOテクノロジーズは本実証実験を通し、クルマのサブスクとしてわずか5年で累計申し込み数が10万件を突破した「KINTO ONE」における顧客満足度のさらなる向上を目指します。
KINTO ONEにおける現状
株式会社KINTOは、トヨタのモビリティサービスをリードし、「移動」に革新をもたらす世界をつくることを目的に、多様なニーズに対応する多彩な車種を取り揃えた車のサブスクリプションサービスを展開していますが、車に詳しくない一部のお客様にとっては数ある車種の中から自分にとって最適な車種を選ぶハードルが高くなっているという現状がありました。従来のシステムでは、お客様への車種の提示・推奨するための情報として、属性情報しか利用しておらず、お客様に対して納得感のある理由を明確に提示することが難しい状況にありました。
本取り組みで目指す新たなサービスと顧客体験
本実証実験では、お客様の属性と過去の利用データとの関係を予測AIによって学習し、その予測結果を生成AIによってお客様の状況を踏まえた、パーソナライズされた文章で提示することが可能となります。結果、車に詳しくないお客様にとっても、より納得感のあるサービス利用が実現できます。
新たなサービスの実現を支援するDataRobot Enterprise AI Suite
DataRobot Enterprise AI Suiteは、AIプラットフォーム上で動作する多彩なAIアプリを提供します。ビジネスチームが望む場所で、望む方法で動作するAIを、お客様固有のニーズに合わせてカスタマイズ可能となります。今回の実証実験では、テンプレート化されたAIアプリ「予測コンテンツジェネレーター」を活用することで、KINTOテクノロジーにてアプリをフルスクラッチで作る時間を大幅に圧縮し、ローコストかつ短期間での効果検証を開始します。
今後の展望
KINTOテクノロジーズは、今回の実証実験を通じて自社サービスにおける予測AI・生成AIの有効性を検証し、将来的には実証実験で得られた技術要素をKINTOのプロダクトに組み込み本格稼働を目指します。DataRobotは今回の支援を通して、“一人ひとりの「移動」に「感動」を”というビジョンを掲げ、お客様の安心安全なモビリティライフの実現を目指す株式会社KINTOおよびKINTOテクノロジーズにおけるAI活用の推進を支援していきます。
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複雑化する意思決定プロセスにおいて、適切なインサイトを迅速に得ることは、ビジネスリーダーにとって不可欠です。しかし、従来のアナリティクス手法や多忙を極めるデータチームの存在が、このプロセスを遅延させています。また、AI導入の現場では、長期にわたる実装サイクルやシステム統合の課題が、進捗を妨げています。 実際、AI導入の責任者の66%が、企業目標に沿ったAIソリューションを展開するための適切なツールが不足していると回答しています。特に、7ヶ月以上に及ぶ導入期間やシステム統合の困難さは、経営層の期待に応える上での大きな障壁となっています。 生成AIとAIエージェントは、これらの課題を解決する可能性を秘めていますが、導入は依然として容易ではありません。ビジネスリーダーの77%が、競争における後れを懸念し、チームに導入の加速を強く求めています。 この状況を打開するためには、より複雑なツールへの投資ではなく、即戦力となる構成済みのAIエージェントアプリケーションの導入が最も効果的です。


こんにちは、DataRobotデータサイエンティストの長野です。普段はDataRobotでデータサイエンティストとして製造業・ヘルスケア業界のお客様を担当しています。技術面では生成AIプロジェクトのリードを担当しています。本記事では、DataRobotのBYOLLM(Bring Your Own LLM)と呼ばれる仕組みを用いて、Hugging Face Hubから取得したLLMをDataRobot環境にホスティングする方法をご紹介します。