DataRobot AI Cloud – 2022 年 9 月リリース
今日の組織は、売上の予測や複雑な製造開発といった自社のビジネスに固有の問題を解決するために、ML モデルを各ビジネス機能の DNA に追加するなど、AI を活用した新たな方法を模索しています。そのため、信頼と透明性を犠牲にすることなく AI を実験から展開の段階へすばやく移行する方法に、組織の関心が集まっています。
このリリースでは、SaaS ユーザーが時系列クラスタリングを使用できるようになりました。また、Python を使った大規模な監視、データドリフトの時系列監視、予測処理統計などにより、モデルの可観測性が改善されています。
さらに、今月から DataRobot Dedicated Managed AI Cloud のパブリックプレビュー版の提供が開始されました。このモデルでは、AI Cloud が顧客ごとに専用の独立した VPC でデプロイされます。時間のかかる実装作業やリソースが不要になるため、組織はデータエンジニアリング、機械学習、ディシジョンインテリジェンス、MLOps 機能をより迅速に適用できるようになります。
Dedicated Managed AI Cloud について、また DataRobot AI Cloud プラットフォームならではのその他の機能について詳しくは、この記事の続きをご覧ください。
Python による大規模な監視
Python ライブラリを使用して未加工の特徴量と予測を迅速に集計し、モデルのパフォーマンスを時系列で監視できるようになりました。すでに DataRobot-MLOps Python ライブラリを使って予測指標のレポートを作成している DataRobot ユーザーは、MLOps 集計ライブラリを使用して未加工の特徴データとターゲットデータを集計することもできます。必要な監視統計の集計によって生産性が向上するため、より多くの情報をより少ない手順で迅速に取得できるようになります。

時系列のドリフト
顧客の行動や嗜好は、急速かつ劇的に変化する可能性があります。モデルへの使用を拡大していたデータが、一夜にして変わってしまうことがあるのです。本番環境の AI に影響を及ぼすような変化には、迅速に対応する必要があります。新しいデータドリフト時系列ビューを使用すれば、より体系的なインサイトを獲得して、問題やパターンを時系列で特定できるようになります。たとえば、ドリフトした特徴量をマークし、そのドリフトの時系列での変化や、そのドリフトとモデル内の他の特徴量との関連性を確認できます。より包括的なビューは、問題の原因を特定し、変化を把握するまでの時間を大幅に短縮し、モデルに関する問題に先手を打って対処するのに役立ちます。

特徴量キャッシュが有効にされた特徴量探索を AI アプリケーションビルダーでサポート
特徴量キャッシュが有効にされた特徴量探索プロジェクトを、DataRobot の AI アプリケーションビルダーがサポートするようになりました。複数のデータセットから構築された新しい自動特徴量探索プロジェクトを実行し、シミュレーションの構築、単一ビューでのインサイトの発見、最適化、またはシームレスなエンドツーエンドのフローでの What-If シナリオの作成を、DataRobot プラットフォーム内だけで行うことができます。
以下の図にあるように、ユーザーは特徴量がプライマリデータセットとセカンダリデータセットのどちらに由来するのかを簡単に判別できます。なお、特徴量キャッシュはプレビュー機能で、特徴量探索の特徴量を事前に計算して、予測時に使用できるようにすることができます。

時系列 What-If シナリオ
時系列 What-If アプリケーションは、時系列プロジェクト専用に構築された AI アプリケーションビルダーです。ユーザーによっては、アプリケーションビルダー内で時系列予測プロジェクトを構築する方法に精通しているかもしれませんが、時系列 What-If のサポートによって DataRobot の機能が拡張されたため、特定の期間にさまざまなシナリオをシミュレーションしてアウトプットを最適化できるようになりました。プロジェクトの作成開始時に設定された既知の特徴量を調整することで、次の 7 日間に店舗で特定のマーケティングキャンペーンを実施したり一定数の従業員を配置したりした場合の売上への影響を確認できます。複数のシナリオを同時に編集できるため、各シナリオを順番に実行する場合に比べて大幅に時間が短縮されます。

時系列クラスタリング
時系列クラスタリング機能は DataRobot 独自のすぐに使えるソリューションで、複数の時系列データセットで類似の時系列を簡単に識別してグループ化できます。この機能が登場する前は、プラットフォーム外で時系列クラスタリング手法を手動で実行し、時系列セグメントモデリングワークフロー内でセグメント化機能として割り当てられたクラスターを使用する必要がありました。しかし、今はこのプロセスがシームレスになり、DataRobot プラットフォーム内に完全に組み込まれています。たとえば、北米にある全店舗の靴の売上を予測する際に、サンフランシスコとクリーブランドで同一の売上プロファイルが検出されると、DataRobot AI Cloud プラットフォームはこの 2 つの地域にあるすべての店舗を自動的に 1 つのクラスターにグループ化します。ユーザーは、動的タイムワーピングなどの高度な概念やコードに精通していなくても、この新しいクラスタリング機能を使用できます。

DataRobot AI Cloud – 2022 年 9 月リリース全機能一覧
DataRobot AI Cloud 2022 年 9 月リリースに含まれているすべての機能の詳細については、DataRobot ドキュメンテーションのリリースセンターをご覧ください。