AI ヒーローとしてのインパクト
失敗を乗り越えて組織を強化。その分野のビジネスプロフェッショナルを巻き込み、モデルの精度を上げる
営業部に配属された後、ロジスティクス部門の社内公募に応募し、需要予測に出会った山口氏。需要予測は初めての経験ではあったものの、大学院で認知科学を専攻し、意思決定の研究をしていていた山口氏にとっては、馴染みやすく知るほどに好奇心を刺激されるテーマでした。10年以上同部署に在籍し、資生堂の様々なブランドの需要予測を経験していく中で、2017年に、初めて AI ツールの活用を試たのです。その時は、商品の類似品分類でAIを使ったものの、思うような結果が出ず需要予測にはマッチしないという判断になりました。
その後、2018年に経営戦略部が DataRobot を導入し、活用アイデアを募集していたのでアイデアを送りました。テーマは、新製品需要予測。既存製品よりも難易度の高い新製品の需要予測にこだわったのには理由がありました。既存製品については高度な時系列モデルを使えば、比較的精度の高い需要予測ができる一方で、新製品は類似商品の過去データやマーケティング計画だけでは精度が高いモデルができません。新製品のように複雑な因果関係がある予測は、人間よりもAIのほうが適しているという山口氏の直感があったからです。
しかし、最初の結果は想定と違い、従来の予測精度を超えられませんでした。原因を分析したところ、社内外にある何百種類というデータを使いすぎたため、結果がぶれてしまったことがわかりました。精度を高めるには、因果関係を考えて実ビジネスに精通した人間が精査したデータを使ったり、新たに需要の原因となるデータを創造したりする必要があると痛感しました。分析結果と精度の低い領域について、経営陣に率直に伝え、そのうえで、AIを使いこなすために専門のデータマネジメントチームが必要であることを強く訴えたのです。
山口氏の提案は認められ、翌年新しいチームが発足し、需要予測のプロフェッショナルであるデマンドプランナー主導で特徴量エンジニアリングを行うことになりました。新たな予測モデルを構築したところ、従来手法の予測よりも精度の高い結果を得ることができました。ブレークスルーの一つになったと考えているのが、研究所や協力会社の測定データを取り込み、学習させたことでした。
現在は、商品の売り方(カウンセリング、店舗販売)や顧客層などに分けて、モデルを構築し、需要予測を算出しています。その予測データは、需給リスクをヘッジし、機会損失や過剰在庫を抑制するレンジフォーキャストで活用しています。例えば、従来の予測よりもAIが高い需要を示すのであれば、原料調達や生産ラインを予め調整してすぐに増産ができる体制を整えておく、低ければ在庫を減らすというように、予測の幅を生かして予め対策をしています。経営陣には、販売機会損失防止、在庫抑制によって数億円以上の効果を上げていることを説明しています。
山口氏を含むデマンドプランナーの取り組みから経営陣も AI 活用を評価しており、今後は CRM(顧客管理)や経営管理などの分野にも広げることを決定しました。この分野に精通している社員をチームに集め、山口氏は主に DataRobot の活用についてアドバイスするような役割を担っていくことになります。DataRobot の画像解析などの新機能にも大いに期待しており、さらなる活用の促進を目指しています。
私は AI を活用し、資生堂、そして日本全体のサプライチェーンのレベルも引き上げて行きたいと思っています。そのために、実務だけでなく、社内外で勉強会や講座を開催することもあります。なにより多くの知見を得るためにDataRobotは最適だと考えます。特徴量エンジニアリングを繰り返しながら次々に新しい予測モデルを構築し、精度を上げることができたのは、DataRobot ならではの成果です。DataRobot の知見もより多くの人に伝えることで、目標に近づくことができたら嬉しく思います。
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